本当に流れ星のようなプロレス団体だった。
ただ、それはきらめく1等星のような選ばれし者達の集団ではなく、どちらかというと普通の社会では上手く生きていけないのではないかと見えるような、そんな外れ者達の集団であったと思う。
だからこそ、30年以上経った今でも、僕ら昔のプロレスファンの心に残っているのだ。
そもそもプロレスというものはアングラなモノである。
今でこそ、所謂イケメンの兄ちゃん達が飛んだり跳ねたりしていて、女性ファンも多いが、僕が熱狂した時代はどちらかというと声高に「プロレスファンです」とは言いにくかった。
そう言ってしまうと、どこかで嘲笑の対象にされるような、、昔のプロレスファンはそんな窮屈な思いを色々な場所でしたものだ。
W☆INGはそんな僕らにピッタリの団体だった。
社会で爪弾きにされたような奴らが繰り広げる、荒唐無稽のサーカスのような、何をしでかすか分からないリング。
最高のカタルシスだった。
あの頃のプロレスが好きだった変態達にしか、刺さらないこの感じ。
それがW☆INGという団体だった。
最後は経営に行き詰まり、あっという間に崩壊してしまったが、それでも最高にイカした(イカれた?)プロレス団体だった。
プロレスにしか行き場のなかった奴らの一瞬の夢、それがW☆INGだったのだろうか。
彼らには今のサラリーマンレスラーには感じない、プロレスファン達の琴線に触れる何かがあったのだ。