アクマイザー3という1975年の特撮TV番組を久しぶりに観た。
そして幼少の頃を思い出した。
70年代は特撮番組が華やかなりし頃。
数多くの特撮番組が製作され、子供達は大いに楽しんだ。
僕もこの頃楽しんだ世代である。
その中でもちろん一番影響力が大きかったのは、故石ノ森章太郎氏の数々の作品群だ。
仮面ライダーを始めとした、様々な異形の者達の活躍を毎日楽しみに、TVの前に陣取った
ものだ。
石ノ森作品には共通するモノがある。
それは不完全な者への愛だ。
そしてそれは人間というモノへの愛である。
怪人と呼ばれた異形の者達が時折見せる善行、いや仮面ライダーでさえ人間ではなく、
本来はグロテスクな存在なのだ。
それが人間の為に、平和のために自己犠牲に戦う。
でも、その姿から人間には理解されず、遠ざけられたりもする。
だが、人間というモノ自体の本質はそうではないのか。
善人のように見えて、実は裏で悪事を働いている者がいる。
悪人がいつも悪い事ばかりしているわけではない。
温かい人のように思えても、内心は冷たい人間もいる。
冷淡のように思えても、本当に必要な時に手を差し伸べてくれたりもする。
人間というのは常に両面のペルソナを一つの人間の中に有しているのではないか。
だからこそ不完全であり、だからこそ悩み苦しむ存在なのではないか。
でも、そういう不完全だからこそ愛すべき存在なのだ。
他人を許容する事の優しさが必要なのだ。
石ノ森章太郎氏は70年代に特撮TV番組を通じて、今後日本の将来を背負う我々子供達に
このメッセージを送りたかったのではないだろうか。
そして、我々は果たして現在その事を活かせているのだろうか。
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