よく何でうちの会社はこれが出来ないのか、こういう事がやれない
のか、と言う人がいる。
僕から言わせると、それはワガママである。
仕事というものは与えられた枠の中で、いかに最高のパフォーマ
ンスを上げる事が出来るかが、大切な事なのである。
際限なく理想をいうのは容易い。
でもそれが100%やれる環境なんか絶対にない。
どこの組織にも得意、不得意はある。
やれる事、やれない事は必ずあるのだ。
もちろん、それを結果が出せない言い訳にしてはならない。
理想と現実の中でせめぎあい、何とか程々の結果を出していく、
それが現実の世界における実際の仕事というものだ。
もちろん、枠そのものを拡げる作業も必要だ。
いつか理想形がやれるように日々努力をし、自分や会社に力を
付けていく作業はし続けなければならない。
ただ、まずは枠の中でいかに密度が高い仕事を前向きにやるか、
が我々企業人には大切な事なのだ。
ちなみにの例だが、私は以前の職場では私の部署に配属されてくる
新入社員は全て女性だった。
言葉は悪いが、男性は先輩社員に取られて、一番年少が責任者の
ブランドには女性しか回ってこなかったのだ。
でも私は、それを踏まえて女性を活かしたやり方を考えて実行し、
結果を出した。
与えられた材料でいかに美味しい料理を作るかも楽しい事なのである。
というか、最高の具材で作る事よりも難しい事なのである。
仕事はそういうモノである。
そして組織には歴史がある。
田中角栄・元首相が昔、跳ね返りであった若き日の石原慎太郎・
東京都知事の尊大な態度に諭した言葉ではないが、人は木の股から
生まれてくるわけではなく、人には歴史がある。
まずは過去の経緯に恭順の意を示し、まずは郷に従い、それから
最適化にはどうしていけば良いのかを、考えて行動する事だ。
そうする事で軋轢なく、仕事は進む。
ただ、絶対にいつかこうしなくっちゃ、ああならなくっちゃを
心に秘めながら、現実の毎日を戦って行って欲しい。
それは必ず、コップの中の嵐には終わらない革命に繋がるのだ。
僕も毎日そう思いながら、この20年間働き続けている。