修行とは出直しの連続なり

前にも書きましたが、私はプロレスが好きです。
今は廃刊になってしまったので買っていませんが、週間ゴングと
いう業界専門誌を毎週欠かさず買っていました。
プロレスに興味がない方は「なんのこっちゃ」と思うでしょうが、
私は馬場派です。ゆえに猪木は嫌いです。
猪木と馬場の美学は全く相容れないものです。
彼らはライバルなどではありません。
お互い全く価値観が違う世界を、交わることなく歩いている、
同世代の人間といったところでしょうか。
すいません、うっかり暴走してしまいました。
そんな馬場派の私ですが、やっぱり猪木の話題作りの旨さ、
土壇場での強さ、リングに上がったときの輝きには、やはり
プロレス村の住人としては注目せざるを得ません。
15年ほど前にこういう場面がありました。
ある猪木の弟子が、5年ぶりに猪木の元に帰ってくるシーンが
リング上でありました。
出て行く時は、もちろん反目しあって出て行ったわけですが、
猪木はその弟子を呼び戻すために、マイクを握り締め叫びました。
「本日私のかっての弟子が、このリングに戻ってくることに
 なりました。
 姿三四郎の言葉にこのようにあります。
 ”修行とは出直しの連続なり”
 おおーい!出てこーい!!!」
猪木は嫌いですが、この言葉は好きですし、一度自分から離れて
行った人間に対して、こういう言葉を言える猪木は大したもの
だと思います。
私はまだ他人に対してこの言葉は喋れません。
心が狭いからです。
ただ自分に対しての慰めの言葉としてはよく使います。
特に失敗した時に、独り言のように。
私はまだまだそういう子供です。
いつか猪木のように言える時が来るのかと、自問しています。
まあよく考えたら、猪木は自分の過去の行いを振り返ったら、
弟子の素行に文句は言えないですもんね。
と、開き直るからいつまでも私は成長しない。

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