俺がUだ、俺がUを守る

 背負うものが大きければ大きいほど、人は成長し力を発揮する。

例えそれが刹那な力であったとしても。

1995年10月11日、新日対Uインターの対抗戦において、こんなことがあった。

試合は、安生&垣原VS長州&永田。

結果は垣原が永田をスリーパーで締め落とす。

試合後にレフェリーにチョークを主張する長州を尻目に、Uインターの若頭・垣原賢人は
マイクを持ち、言い放つ。

 「オイ長州! 新日本はそんなもんか!  Uをなめんな!
  Uは死なねーぞ!!  俺がUを守る!!  俺が新日本を
    ぶっ潰してやるからな! 」

その後の垣原は半年持たずに、東京ドームで長州にボコボコにやられてしまう。

最初から役者は違っていたし、会社の力関係も横綱と序二段ぐらいの差があった。

それでも、若者が遮二無二ぶつかっていく姿には感動を覚える。

なかなか現実世界では、ついぞお目にかかれない。

あの一夜のカッキーは最高に光っていた。

もしかしたら、飛び越えるのではと思わせる何かがあった。

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