売掛金の回収の思い出

新入社員から事業部に配属になって、私の受け持つ取引先の範囲は、
まずは広島と鹿児島になりました。
はっきり言って、苦戦地区であり、前任者のモチベーションの
低さもあり、取引先も入金に不安があるなどの問題を、
多々抱えていました。
私はまずは不採算、不良取引先の淘汰から始め、並行して
新規顧客の開拓を目指しました。
取引先にとって、良い担当者とはどういう人間をいうのかを
学びました。
色々な意見はあるとは思いますが、一番簡単に取引先に
好かれる方法は、何でも取引先の言う通りにして、値段を
安くすることです。
前任者はそういうタイプでした。
ですから、最初私が全く正反対のセールスをすることで、
かなりの反発が取引先からありました。
ただ、私は愚直に取引先の選別を進めました。
ある日集金が滞っている取引先に行ったときのことです。
集金の旨を伝えたところ、帰って来た言葉は、
「前任者はそんなひどいことは言わなかった。ある時払いの
 催促なしで、ずっとやってるんだから」
と、言われました。
私はこれは今日全額回収して、二度とここには来たくないなと
思いました。
最後は怒声を受けながら、時間は掛かりましたが、全額集金を
して出てきました。
今でもあの時のジャッジは良かったのだと思います。
鬼呼ばわりされましたが、良い思い出です。

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