大学のサークルの思い出 その1

 僕が大学一年生の頃にいわゆるバブル経済が崩壊し、日本は不景気に向かおうとしていた。

ただ、地方都市福岡は景気の波が遅れてきた分、収束も東京や大阪に比べて遅く、まだ
あちこちに残り火のような景気の良さがあった。
僕が所属したサークルは今でもそういう言い方があるのかは知らないが「インカレ」だっ
た。
インカレ=インターカレッジサークル
あの頃流行った、色々な大学の人間が集まるサークルだった。
それにこれまた流行だった、イベント企画のサークルだった。
要は軟派なサークルだったが、あの頃はこの手のサークルの数は多かった。
入った当初は楽しかったが、サークルの目的自体が楽しく遊ぼうだったので、何となく
退屈でもあった。
他に入りたいサークルがあるわけでもない僕は、先輩が紹介してくれる割の良いバイトが
魅力でもあった。
一応、イベント企画のサークルなので半年に一回ぐらいの割合でイベントをやった。
あの頃流行りだった、ダンパ(ダンスパーティー)を企画して、あの頃たくさんあった
ディスコを借り切って、色んなつてでチケットを売ったり、売ってもらったり、あとは
企業とかを回って協賛金や協賛品を集めたりした。
失敗する事もあったけど、儲かる時もあったみたいだ。
僕はペーペーだったから、先輩たちがくすねた金は知らないけど。
でも、大人の世界を見ているようで楽しかった。
その頃は毎日スーツを着て、夜の繁華街に遊びに行った。
そうこうしている内に急に、サークルの中がおかしくなりだした。
よくある事だったが、先輩が後輩の女の子に手を出しまくってしまったのだ。
そうなると女の子たちはドンドン辞めるし、その女の子たちと仲良くなりたかった男たちも
辞めていくしで、あっという間にサークルは崩壊の危機にさらされた。
ああいう時に少し勉強になったが、その女の子に手を出して騒ぎを起こした先輩は何も
悪びれなかった。
そして、まだ在籍している後輩たち(僕ら)に対しても、全く責任を取ったり、面倒を
見たりする事もなかった。
その時思ったのが「無責任ってこういう事をいうんだなあ」と思った。
そしてそれを咎めない同級の先輩たちもとんでもない奴らだなと思った。
ちなみに僕はその頃は彼女が欲しいというよりも、初めて自分でお金を稼ぐことに夢中で
それが素直に楽しかった。
毎晩、一人で色んなイベントの企画を考えては、その頃流行したワープロのキーを叩いて
企画書を書いていた。
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