大学のサークルの思い出 番外編

 僕が大学に入ったばかりの頃は、地方都市・福岡はまだバブルの残り火があったが、3年生

も終わりになった頃にはすっかり不況になっていた。

僕が所属していたような、時代に取り残されたようなふわふわしたイベント企画サークルと
いうやつもたくさんあったのに、数えたら10個も残っていなかった。
その中でもそれなりの人数を抱えてやっているサークルがSとGとCだった。
それ以外は細々とやっているのが2,3サークル。
それプラス、一人で看板を守る僕だった。
僕はどうしても他のイベントサークルのやつらとウマが合わなかった。
早くから狡すっからい大人達に騙されたり、出し抜かれたりして、どちらかというと早目に
大人になろうとしていた僕と、いつまでも子供で居たい彼らとは分かり合えはしなかった。
大人たちはどちらかというと、彼らを重宝がり、僕を疎ましがった。
そりゃそうだ、与しやすいのは間違いなく彼らの方だからだ。
そこは僕は頑なだった。
よくいくつかのサークルを集めて、何らかのイベントの打合わせがあった。
そんな時、僕はいつも端っこに座らされ、多数派のやつらと大人の扱いが違った。
どいつもこいつも僕の意見なんか聞きやしない。
その時学んだのは正論を言うにしても、力がないといけないという事だ。
力というのはここで例えると数だ。
そしてそれを凌駕出来るぐらいの能力を、僕は身に付けてやろうと誓った。
でも、大人の中でも僕の事を気に入ってくれる人もいた。
大体、変わり者の人ばかりだったが、親身になって仕事を回してくれたり、相談に乗って
くれた。
そういう人達にも感化をされながら、僕の人格も形成されていくのを感じた。
特に僕がそういう人たちから学んだのは「責任感」だった。
大人は責任感がないやつを認めない。
僕は彼らからの求めに真摯に応じたし、また彼らにも求め、それをお互いの拠り所とした。
そして僕は自分が別にイベント企画をやりたいわけでもない事にも気付いた。
僕は色々裏で段取りをしたり、計画をしたりするのが好きだという事に気付いた。
自分の立ち位置、やるべき事が学生の段階で分かったのは喜ばしい事だった。
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