今はそうでもないが、30代前半は月の半分は海外に行っていた。
インド、中国、ヨーロッパ、アメリカ、韓国、台湾、香港、インドネシア、タイなどなど。
全て仕事絡みであるところが、僕のバランスの悪さの証拠である。
海外に行って学ぶことは二つあった。
一つは海外の人々のエネルギッシュさであり、もう一つが海外の人々の持つ苦しみだった。
海外の人々と触れ、常にその爆発するようなパワーにいつも圧倒され、自分も負けずに
頑張らなくてはといつも思っていた。
海外から帰ると、いつも海外と日本人とのテンションのギャップが腹立たしかったり、
自分がそれに馴染み、日和らないようにいつも律し続ける必要があった。
いつも、「あいつらはあんなに頑張っているのに、何だよお前たちは」という思いを
持って、神経を尖らしていた。
そしていつも「自分は日本に生まれて本当に幸せだった」ということを噛みしめていた。
世界には紛争、飢饉、貧困など日本では考えられないような不幸がたくさんある。
それに苦しむ人々が何10億人もいる。
世界に行くとその光景が容赦なしに眼前に広がる。
それはかなりインパクトがある事だ。
そんな時にいつも思っていた。
僕の持つ悩みなんか、世界の人達の嘆きや悲しみに比べればハナクソみたいなものだ。
些細な事で悩んでなんかいられない。
世界にはもっとつらい事で苦しんでいる人々がいるのだから。
「いつも何やってんだ、俺」「もっと頑張れよ、俺」と海外に行くたびに思って、自分を
鼓舞し続けた。
その事は僕の価値観の基本を形成してくれた。
だから、みんなもエネルギーが出ない時、報われていないと感じた時には海外に目を
向けてみてはいかがか。
君たちは安全な国・日本に生まれているのだ。
その幸せを認識し、頑張らなくてはいけないのだ。
僕らの悩みなど世界レベルの不幸に比べれば、何10億番目の不幸さなのだ。
そう考えて、毎日を生きよう。