昔、小さい団体を率いる天龍源一郎が発した言葉をフラッシュバックのように
思い出す時がある。
「断崖絶壁?そんな言葉は余裕があるやつの言う言葉だよ」
凡人が、大変な境遇に陥っている他人に掛ける言葉は、非常に陳腐だ。
辛そうな人間には「頑張って」、そんなチープで粗末な言葉しか出て来ない。
言われる本人は、そんな言葉は求めていない。
もとより、そんな段階はとうの昔に突き抜けており、開き直っているのだ。
凡人には計り知れない力を持っている、人間の強さには畏怖の念を禁じ得ない。
断崖絶壁などは背負っておらず、すでに地獄の入口で何とか戦っているのだ。
本当に、剣ヶ峰に立っている人間は強い。
よく僕に相談してくる人たちが言う。
「もういっぱいいっぱいで余裕がなくて」
「忙しすぎて、ノイローゼになりそうで」
僕は思う。
君たち、断崖絶壁までも行ってないよ。
そこを突き抜けて、違う風景を見てみたいと思わないのが、僕は不思議だ。
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