東京が絶対無比の価値ではないよ

大学4年の就職活動中、僕は以前勤めていた会社の社長に面接を
して頂いた。

その時、非常に印象に残った言葉がある。

社長 「君は配属はどこを希望しますか?」

その会社は福岡本社の他に、東京店と大阪店があった。

私は迷わず、「東京を希望します!」と答えました。

社長はその回答に対して、何故?と聞かれました。

私は「大きな市場でやってみたいし、それが自分を成長させる
はずだからです」と自信満々で答えました。

その時、社長は「君が東京でやりたいというレベルはそれぐらい
の事か」とつまらなさそうに仰いました。

社長はその後の言葉として、こう続けられました。

「市場が大きければ成功するのであれば、東京の会社みんなが
成功している。
果たしてそうなっているか。
東京の会社だからといって成功が約束されているわけではない。
福岡にいても成功している会社はある。
結局はやり方で、場所は関係ない」

僕はその時点では今一意味が分からなかったが、その後何かに
つけてこの言葉を思い出す事になった。

先日、あるコンサルタント兼投資家の方の話を聞く機会があった。

その中で彼は地方の疲弊が激しい。

それなのに、地方の企業人は危機意識が足りなく、情報の取り方も
遅く、こんな事ではいけないという事をしきりに話していた。

ここで僕が思うのはお金を使えば売り上げというものは上がる
ものである、ということだ。

地方が貧しいというのは簡単だし、それを東京と比べるのは乱暴だ。

お金が無いなら無いなりの経営というものはあるはずだ。

東京が全ての基準であるとは思わない。

規模が大きい、売上が高い事が成功かというと一概には言えない。

出るものが多く、入るものも多い事が健全なビジネスなのかは
分からない。

ただ、リスキーさを排除する事も大切な事だ。

それをこの人が理解しているのか、いささか疑問に思った。

彼は自分の投資先として対象たり得ることが、全ての存在条件だ
と思っているのかもしれない。

何でも東京に当てはめたり、都会が一番のビジネスだとは
思わないで欲しい。

ローカルに活路も必ずある。

初期投資を抑え、適正な売上と経費で運営するのも当たり前の
ビジネスだ。

緩やかなやり方でも決して間違いではない場合も必ずある。

意外とそういう商売の方が長続きしたりするものだ。

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