生きている内が華なのよ

 他人が亡くなると残された方としては後悔だけだ。

もっとああしとけば良かった、なんでもっと良くしてやらなかったのだろう、
そういう思いが心の中を渦巻く。

先日、亡母の姉が亡くなった。

家族がいない叔母に、僕は田舎に帰るたびに家を訪ねていた。

僕は叔母に、亡き母の面影を求めていたのかもしれない。

なぜ、早く帰ってあげなかった、もっと頻繁に寄ってあげればよかった。

そういう無念が去来する。

言いたくはないが、安らかに眠っていただきたい。

でも、僕はこう思う。

誰でも死んじゃったら、神様になってしまう。

良いことしか思い出さない。

みんな死んじゃったら、あの人はいい人だった。

でもそれに何の意味がある。

いつも思うが、死んじゃったらおしまい。

生きている内が華だ。

悔やんでもしょうがない。

高い戒名や墓石に何の意味があるだろうか。

僕は死後の世界なんか信じないし、あてにしない。

生きている内に人生を楽しまないといけないし、他人に後悔がないように接しないと
いけない。

結局、誰だって死ぬ。

いつかはみんな死ぬんだ。

だからこそ。


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