真実は何かを常に考える

私が配属になった先は、会社一難しい上司がいると言われて
いた部署でした。
取り合えず、配属の発表があった翌日の朝、私は早速緊張しながら
配属先へと向かいました。
ここを角を曲がったら、配属先だという所で、
「おい!I田(仮名)-!!!」
という怒声が聞こえました。
あ~あ、私はこれからどうなるんだろうと暗くなりました。
ここの部署はとにかく暴れん坊の部長がいることで有名でした。
そろそろと部内に入ると、先輩が正座していました。
真ん中では部長が仁王立ちで、その先輩をなじっていました。
その日の午後、やっと解放された先輩に早速着任の挨拶に
行きました。
すると先輩は開口一番、
「俺は来月やめるから。頑張ってな」
どうなんだよ!俺の人生は!!!
真剣に思いました。
その後ことある毎に他の先輩からも、部長の悪口を聞かさ
れました。
私も半年ぐらいつらかったですね、毎日毎日怒られて。
でもある日褒められたんですよね、営業成績が上がって。
その時気付いたんです。
会社で何に価値観を置くのか、何を求めるのかを。
あくまでも会社は家族ではありません。
あくまでも利潤を追求する組織です。
はっきり言って、会社のみなさんはそこを誤解している。
部長も、もちろん悪いところも多々あるが、全てがNGではない。
要は物事の本質が何なのかを考え続けないといけない
部長が部員を褒めたくなるのは、営業成績が上がった時に
決まっているのです。
他に褒めようはないわけですから、会社において。
それともう一つ気付いたのが、会社の先輩たちがただ遠巻きに
して、部長やうちの事業部を上っ面で見ていただけなんだという
ことでした。
この時に、批評するしかできない奴はどうしようもないなと
思いましたし、実際経験していない奴がさも分かったような顔で
物事を語るなよと感じました。
部長との蜜月は1年半程あったと思います。
私は信頼していました。
部長はたまに油断させないところはありましたが。

目次