経費の使い方

以前勤めていた会社の会議で、携帯代の会社負担が議題に上がりました。

営業マンには、月間5000円の負担が付いていたのですが、一部の
営業マンから、それでは賄えないという声が上がったようでした。

その営業マンは、色々携帯代がかかる理由を会議中に述べました。

色々しょうもない理由を羅列していましたが、一番かかる理由に
得意先から、在庫の確認の問い合わせを受けて、それを会社に電話連絡
するのに一番かかっているということでした。

ちなみに会社には営業マン用に、フリーダイヤルを入れていましたが、
その当時は携帯電話からの着信には対応しておらず、営業マンは公衆
電話もしくは客先の固定電話から、利用していました。

その営業マンは、一日を目一杯に使わないとお客さんを回れないので、
問い合わせに対応するために、その都度車を停めて公衆電話を探すのが、
難しいとのことでした。

僕の意見を述べる順になりました。

僕は当時海外生産をしており、毎日頻繁に国際電話を利用していました。
僕は自分の携帯電話代に、毎月30000円払っていると言いました。
(前日の営業マンの倍以上の金額でした)

僕の現状を聞いて、会議は携帯代の負担を増やす、という結論に傾き
かけました。

前述の営業マンの顔を見ると、満面の笑みでした。
普段は気の合わない僕が、珍しく自分の意に沿う意見を言っていると
思ったのでしょう。

ただ、僕は言葉をつなぎました。

「経費がかかったので、ただ払って欲しいというのは、違うと思う。
 何も考えずに使うのが問題であって、いかにして使わないですむか、
 考える必要があると思います」

僕は心の底よりそう思って発言しましたが、正しいかどうか。今一
自信が無かったので、社長の顔を見ました。
社長は黙って頷いていました。

最終の決を採ると、携帯代の会社手当を一律で増やすのではなく、
前述の営業マンの分だけ増やすことになりました。
僕は、なんやねん、と思いました。

ただ、決してゴマすりではなく、社長の価値観、モノの考え方と合致
したというのが、大変嬉しかった憶えがあります。

 

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