華☆激8月11日イオンモール筑紫野イベント試合を観戦して

「あゝ、ラウドネスで来ましたか」

僕は一人心の中でほくそ笑んだ。

それも彼らの世界進出第一弾である「crazy nights」がリングが中央に設置
されたイベントスペースにて大音量でかき鳴らされていた。

土曜の昼前、本日はイオンモール筑紫野で華☆激のイベント試合であった。

それにしても、日常のショッピングセンターの一角でリングとむくつけき
レスラー達、そしてそれを煽るヘヴィーメタルの選曲とはなかなか良い
ものだ。

そもそもプロレスとヘヴィーメタルというものは相似性が深い。
(僕は勝手にそう思っている。)

それはなにかいうとカタルシス、浄化作用であるということだ。

僕は思うのだが、両者は誤解されやすいジャンルであるが、どちらも暴力を
助長するどころか、逆に人間がストレスとして溜めていってしまう、澱の
ようなドロドロしたものを消し去ってくれる効果があると思う。

現に僕はプロレスを見た後は非常に穏やかな気持ちになる。

徐々にこのイベントが根付きつつあるのか、前回よりもお客さんの開演前の
集まりも動員も多く感じた。

そして、前回よりも幅広い年代のお客さんが多いのが、大変嬉しかった。

そうだ、プロレスというのはそういう世代を超えた、そして全ての世代が
肩を並べて楽しむ事が出来る、そんな稀有で素敵なものなのだという事を
自信を持って言いたい。

もちろん、会場の一部にマニアらしき姿も見えた。

でも、プロレスはそんなマニアだけしか理解出来ないジャンルでは決してない。

会場に足を運べば、それは自ずと分かる事だと思う。

そういう意味では、このイベントプロレスは何とか継続してやり続けて頂き
たい。

プロレス啓蒙活動と言っても良いと思う。

僕は前方の座席に座って、思った。

「やっぱり、こういうのが本当のプロレスの楽しみ方だな」

僕はいつもプロレスを見に行くと、リングの上の試合をありのままに
楽しみたいなと思う。

人によって、それの楽しみ方はそれぞれだ。

でも僕はマニアではない。

僕にとっては、リング上で繰り広げられる戦いに一喜一憂しながら見る
のが一番楽しい。

肩肘は張りたくない。

難しい講釈や裏読みもバックグラウンドもさほど必要なく、老若男女の
観客が目の前の事象をありのまま楽しむ。

それが一番楽しい、プロレスの楽しみ方じゃないかな。

僕はそう思う。

客席で幼い女の子が、レスラーがパンプする事でリングが軋む音が怖いと
母親にすがりつく。

それで良いのだ。

彼女はこれで学ぶのだ。

カラダをぶつければ痛いに決まっている。

それを学べば良いのだ。

そして、痛いのが嫌だと思う者はカラダを鍛えれば良いという事に
気付けば良い。

そうやって自分の目で見て、何かを感じて、人間は成長していくのだ。

その事にプロレスというものは確実に寄与することが出来ると思う。

試合はなかなか熱かった。

僕は午前の部しか観戦しなかったので、エースであるアステカ選手が
出場しなかったのは残念ではあったが、その分大学の先輩である小川
選手のやられっぷりがなかなかイカしていて、大いに楽しめた。

つくづくプロレスというものは勝敗が全てではなく、お客さんを楽しませた
レスラーが一番だと思う。

そういう意味では午前の部の主役は小川選手であった。

小川さん、次はYAMAKASAを必ず決めてくださいね。

このイベントには必ず試合前にプロレス教室がある。

今回もうちの倅が張り切ってリングに上がり、父としては嬉しい限りだった。

だが、サクサクとリングに上がる倅を見ながら、もう一方では非常に悩んだ。

それは自分も教室に参加するかどうかという事だ。

結果としては上がれなかった。

リングに上がりたいけど、上がれない。

それは何故かというと、やはりリングにはプロレスの神様が住んでおり、
鍛錬もしていない大人の男が軽々しく上がってはいけないと思うからだ。

プロの職場に土足で足を踏み入れてはならない、僕はそう思う。

でも、ロープワークは一度してみたい。

うむむむむ。

最後に倅に今日の感想を聞いた。

僕 「今日のプロレス面白かっただろう?」

倅 「まあね。あっ、今日は14時からTVでホークスあるから早く帰らなくっちゃ!」

リングサイドの倅

お前、よく見たら、ホークスのTシャツ着てんじゃん!

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