昨晩、元阪急・近鉄の監督を務められた西本幸雄さんが亡くなられた。
氏は悲運の闘将と呼ばれた、パリーグ一筋の名監督である。
なぜ悲運かというと、8度日本シリーズに出場を果たしながら、一度も日本一にはなれ
なかったからだ。
ただ本人は、8度も日本シリーズに出場出来て、自分ほど幸せ者はいないと常に仰って
いたそうだ。
非常に温かい人柄がうかがわれる。
鉄拳も辞さない熱血漢でもありながら、選手の心の機微も分かる人情家でもあったそうだ。
数々の名選手・名監督を生み出された名伯楽でもある。
「とにかく諦めない事。試合も人生もそう。野球よりもはるかに長い人生は絶対に諦めて
はいけない」
「世の中には必ずしも格好良い仕事ばかりしている人だけではない。例え日の当たらない
場所でもコツコツ努力している人がいる。努力し続けていれば必ず日が当たる」
今時、こんな言葉を熱心に子供に教えてくれる大人はいない。
氏は後年、プロ野球ニュースの解説者を長く務められた。
ほとんどがセリーグびいきの解説の中、寡黙に客観的に解説をされていたのを思い出す。
近年は高齢を理由にテレビでお姿を拝見することもなくなり、寂しく思っていた。
それぐらい優しく、存在感があった。
西本さんの監督最後の試合で、かっての教え子の対戦相手・阪急、そして自分が率いる
近鉄の選手たちから胴上げをされながら、観客がこう叫んだという。
「日本一にならんでも良いやないか、それでも西本さんは日本一の監督や!」
何となく胸が詰まりそうになってきたので、これで本日は終わります。
西本幸雄元監督のご冥福をお祈りします。
本日は氏がデザインされたという近鉄球団の3色帽を一日中被って、氏の功績を称えたい
と思います。
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