運動会に思う

 先日とある運動会を見ていて、違和感を覚えた。

後半戦に差し掛かっているのに、得点ボードには「赤:18 白:19」という表示。

最初は気付いていなかったが、各競技の結果毎にどうやら「勝者総取り方式(ウイナー
テイクオール方式)」が採用されているようである。

各競技を例え僅少差であっても、1位を獲得した方がその競技の得点を得る、そうなっている
ようだ。

こんな所にも苛烈なアメリカ的資本主義が蔓延っているのか、と驚いた。

私の記憶では、運動会の点数というのは各競技における「何点対何点」を細かく積み上げて
いくものであったように思うのだが。

最終的には「赤:258 白:262」などの表示に一喜一憂したのが懐かしい。

その方式において、勝ち得るために色々な手立てを考えたものだ。

圧倒的な敵がいた場合には1位は諦め、2,3位を必ず拾うという戦略で、総合点で勝つと
いう戦略も取れたように記憶している。

勝者総取り方式においては、勝つためにはこの競技は捨てて、他の競技に精鋭を集めるなど
の定石が使えず、とにかく全てで勝つ事をしなくてはならない。

勝敗をいかに考えて楽しむかが難しい、と感じる。

この方式を採用したのは、得点を付ける方たちの簡便性を優先したのか、それとも時代の趨勢なのか、を考えると大変趣深かった。

個人的には、一喜一憂しながら、得点ボードに結果が出るまで本当にどっちが勝ったか、
分からないという昔の方式が好みではある。

「分かりやすく、簡単に」が曲解され、少数の意見が無視されやすい。

そこに投影するのは私の考えが飛躍過ぎか。

でもみんなの総力を反映させるのが、運動会の一番の意義ではないのかと思う。

それをみんなに思い出させてくれる場であって欲しいと思う。

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