2012.4.30 博多☆エストレージャ’15th 観戦記

 試合が終わり、エースであるアステカがまだ試合の疲れも癒えないまま、マイクを握る。

   今日は有難うございました。

 僕は今日、DDTのHARASHIMA選手に負けてしまいましたが、これでまた目標が出来ま
 した。

   世間ではアステカの予言書に今年の12月21日(僕の41歳の誕生日ではないか!?)
 に世界は滅亡すると書いてあるらしいですが、僕アステカの予言によると華☆激は
 これからも続いて行きます!

   これからもよろしくお願いします!

このマイクで会場はとても暖かいムードに包まれた。
アステカのこの言葉に今日の興行の全てが詰まっていたように思う。

今回の興行は、福岡ご当地団体・プロレスリング華☆激の15周年記念興行であった。

15年前といえば、まだまだプロレス界はバブル時代。
団体が過度に分裂し、また乱立した時代だった。
その頃設立された団体で現在は存在していない団体も数多い。

派手なニュースを提供する団体も多かった中で、華☆激はコツコツと歩を進め、今日の日
を迎えているのであった。
派手さもなく、地味といえばそれまでだが、会場にはそんな華☆激を応援する観客が数多
く集まり、会場は小会場ではあるがフルハウスであった。

18時の開場と共に入ったつもりが既に席は8割り方埋まっていた。
正直驚いた。
あくまでもローカル団体の興行であるのに、この入りは。
これが15年の歴史なのだろう。

開始前の挨拶でアステカが言った愚痴は本心であろう。
離合集散は世の習いだ。
華☆激も離脱選手は幾人もいる。
ただ、もう1人の設立者の小川選手と15年団体を維持してきた実績は大変重たい。
それと、是非全日のカズ・ハヤシに挑戦して頂きたい。

第1試合は2代目・上田馬之助の試合であった。
正直、登場時に「サーベルタイガー」のテーマが鳴り響いた時は、これはタイガー・
ジェット・シンのテーマであったはずだがとも思ったが、上田の上半身のゴツさに
見入ってしまった。
そして1代目のように髪をまだらに染めているのも嬉しい。
そう、上田といえば「まだら狼」が愛称としてはメジャーだ。
思えば今は無き団体NOWで年老いた1代目・上田馬之助を熊本の会場で見た記憶がよぎる。
まさか、20年後に上田は亡くなり、2代目をリング上で見る事になろうとは。

そして今時、選手コール時のリングへのテープ投げも非常に珍しく、とても懐かしい感覚であった。

試合自体はアズール・ドラゴンがキングを金的からのスクールボーイでピン。
僕はこのムーブは大好きだ。

途中の感想ではあるが、レフェリングが少々いただけない点があるように思う。
改善されることを期待したい。

第2試合は博多ライトヘビー級の選手権試合であった。
王者コスモ☆ソルジャーが裏アキレス腱固めで挑戦者xXXxを仕留めた。

これは華☆激の個性であるが、ごつごつした試合が多い。
エースがマスクマンであり、マスクマンが多く所属しているため、ルチャ的な飛んだりが
多い団体のように思われがちだが、意外と殴ったり、蹴ったり、極めたりが多い。

今回の大会は、友好団体である大分のFTOと対抗戦の形式が数試合組まれているのだが、
華☆激のホーム試合である割にはFTOの選手への声援は多い。

第3試合はフリー選手である齋藤彰俊が参戦して試合であった。
やはり、メジャー選手は登場よりオーラが違う。
他の選手よりも明らかに抜きん出た体躯、それだけで説得力十分だ。

試合自体も齋藤が蹴りまくって3カウント。
対戦相手の新泉選手もよく受けた。
お互いスカすことなく、正面からやってやり返す、非常にスイングした試合だった。

試合後、タッグパートナーのFTO・スカルリーパーより促され、喋った齋藤のマイクも
なかなか良かった。
「博多最高!華☆激も最高!!」
会場のボルテージを上げるには十二分であったように思う。

そしてメインイベントは、エースであるアステカとDDTのHARASHIMAによる旗揚げ
15周年記念特別試合であった。

HARASHIMA自体は元HERO!のコスチュームの時以来の観戦であるが、非常に動きが
軽快であり、また技のキレも的確、正確であり、見応えがあった。

ただ、今日の主役はもちろんアステカである。
必殺技・聖☆スプラッシュやフライング・クロスチョップも美しかった。

試合自体はHARASHIMAのフィニッシュホールドである蒼魔刀でピンフォールを奪われて
しまったが、間違いなく観客はアステカの背中に15周年を感じた、そう思える試合であっ
た。

全試合が終わり、アステカがマイクを握り、満員の観客に冒頭のアピールをする。

派手なライトもスモークも音響もない。

ただ、こうやって集まってくれる観客と必死に戦い続ける選手がいる。
それがプロレスリング華☆激という団体なのだ。

私は設立当初の華☆激を知らないが、15年続いている団体の歴史に触れ、非常に楽しい
時間を過ごせた。

非常に暖かいコミュニティであり、大変満足させて頂いた。

そして試合に敗れたからこそ、華☆激の戦いの旅はまだまだ続いて行くのだ。

一生懸命の15年。
まだまだ終着点は先の話だ。

THE SHOW MUST GO ON!

今回の興行の戦利品です。

選手のみなさん、試合後のお疲れの中、快くサインして頂き、ありがとうございました!

小川さん、また観戦に行きますね!
面白かったです!!

JUGEMテーマ:スポーツ
目次