閉塞感があった。
高校生活最終年を迎え、なんとなく僕は社会に対する全ての事に対して、鬱屈としたものを感じていた。
それはきっと僕が何者であり、これからどういった大人になっていくのか、その事への漠然とした不安からのモノであったと今では思う。
斜に構えた僕は随分嫌なやつだっただろう。
努力を馬鹿にし、要領だけで世の中を渡っていける、そんな厭世観を抱いたひねたガキだった。
世の中の事なんか、何も分かってなかったくせに。
そんな時にプロレスをテレビで観た。
プロレスは子供の頃好きだったが、数年は観ておらず、正直プロレスなんて、、、という思いもあった。
そこで久しぶりに観たプロレスに僕はやられた。
子供の頃に観た時は鈍臭く、中堅以下だったプロレスラー・天龍源一郎が、眩いばかりの光を放ち、リングの中心に立っていた。
6月4日は天龍さんがプロレス界活性化のために、天龍革命をスタートさせた日。
毎年この日になると、僕は自分をチェックする。
あの時と同じ気持ちで僕はいるかって。
あの時、天龍さんが気付かせてくれた事をちゃんと守って生きてるかって。
人生に対して諦めたり、日寄ったりしてないかってね。
毎日を一生懸命生きてるかっていう事を。