<中国仕入れサービス・カンフー宅配便を始めたきっかけ③>からのつづき
浙江省は古くより雑貨の巨大市場があり、日本でいうと100円均一売りのチェーン店の聖地のような場所です。
市場の端っこから反対側の端っこまで歩くのに、恐らく1日以上かかるのでは??と思うくらい、その規模は広大です。
そして、そこの卸単価は、、「安い、とんでもなく安い」です。
依田さんと初めてその市場に足を踏み入れた僕は、その安さに舞い上がってしまいました。
あの頃は確か日本の洋服屋さんで2900円で売っているようなニットキャップが、卸単価150円くらいだったと思います。
為替の部分もありますが、とんでもない値段でした。
サンプルを見ながら仕入れをしようとすると、お店の人に発注数量は最低1色100個からと言われました。
ちょっと多いな、、と思いつつ、店に山積みになった在庫のニットキャップは何個からだ?と聞くと、「50個からでも良い」との事でした。
ちょっと欲しかったデザインとは違うんだけどな、、と思いながらも、僕は在庫を50個仕入れしました。
そんなこんなで一日中市場を歩いて回って、へとへとになった後の晩御飯で飲んだビールは非常に美味しく感じ、依田さんとこれからの市場を使ったビジネスの展望を熱く語り合ったのを覚えています。
朝、事務所に出勤すると、早速昨日仕入れした商品が続々と入荷してきました。
僕には最初宝の山に見えました!、、、でも、、あれ、これってなんか変じゃない??
何枚か手に取って見てみると、それは縫製が悪かったり、汚れていたり、、結論B品でした。
事務所から市場は近いので、急いで昨日仕入れした市場の店に乗り込み、大クレームをしました。
お店の人は涼しい顔で言いました。
「あんたのオーダー数量じゃ、生産は出来ない。だから他の人が返品したB品買うしかない」
僕がけんか腰で何を言っても、お店の人は仁王立ちで堂々とした様です。
これは海外のどこに行ってもほぼ共通なのですが、先にお金を払わないと市場は商品を出してくれません。
なので、事務所に入荷している商品は、既に店にはお金を払っています。
僕は当然「B品はいらない、全量返品する、お金返せ」と主張します。
するとお店は「既に商売は成立している、お金は返さない、難癖付けるな」
このやり取りがエンドレスに続きました。
義烏の市場の卸単価は安いです。
でも、店頭に置いているのはほぼB品です。
でも、新たに生産してA品のみ仕入するには大量のロット数が必要な市場でした。
今だと色々やりようもあったのかな、、とも思いましたが、そもそも僕のメインであるアパレルには不向きだったのもあり、、
また、依田さんと今後どうしようか、、とホテルの近くの火鍋屋で打ち合わせをしていたら、、隣に座っている韓国人の客がしきりに「明日はコウシュウの市場に移動しなくては、、」と言っているのが聞こえました。
その頃、僕と依田さんは何となく韓国語が理解できたのを幸いに、その韓国人たちに酒を奢って、「コウシュウ?」の事を一生懸命聞きだし、中国の南、広東省にある広州市の広州服装市場の事を知ったのでした。
<中国仕入れサービス・カンフー宅配便を始めたきっかけ⑤>へつづく