集客装置としてのプロレス

 日曜の昼前、私はとある商業施設にいた。

今日はここで、福岡ご当地団体のプロレスリング華☆激のイベント試合が執り行われる。
その観戦のために足を運んだのだった。
場所は1階のエスカレーターホール、私はそこを目指し、中央入口より急いで歩を進めた。

探し当てたそこには、リングがあった。

何と異様な事か、やはりプロレスとは非日常のものである。
買い物客で賑わう商業施設の一角に、オーラを放ちながらそれは鎮座していた。
神々しい。

私は最前列が空いていたので、そこに陣取った。
イベント試合なので、無料なのが嬉しい。
国際センターだと20000円の席だ。

辺りを見回すと、試合開始時間5分前なのに客席はまばらだ。
でも数は少なくとも、今座っている人たちはプロレスが見たくて座っている人たちなのだ
と思うと何だか嬉しい。

私もそうだが、休日の昼の日中にプロレス観戦が出来る、こんな幸せは久し振りだ。

商業施設で見るレスラーなど、恐らく30年以上前のジャンボ鶴田選手以来ではないか。

開始時間になり、リングアナのMCで、アステカ、小川聡志、コスモ☆ソルジャー、
KINGの4名が入場して来た。
いずれも所属選手である。

まずはプロレス教室がスタートした。

客席から有志を募り、前方回転、後方回転、受け身、ロープワークを我々客席にも分かり
やすくレクチャーがある。

ちなみに教えてもらった、「ライオン」という腕立て伏せは家で5回やって腕がガクガクに
なった。

その後仕切り直して、いよいよ試合があった。
気付いたら、客席は埋まり、立ち見客や2階の吹き抜けから覗く観衆までいる。

カードは九州無差別級タッグ王者のアステカ&小川聡志VSコスモ☆ソルジャー&KING
だった。

残り時間10秒を切ってからの絞め技では決まるわけないじゃん!という久しぶりのお約束
は置いといて、内容は十分分かりやすく楽しめる内容であった。

会場は十分スイングしていたように感じた。

題目は偉そうに書いたが、何の事はない、プロレス讃歌だ。

ごっつい体の男たちが半分裸で仮面を付けて戦う。
それを素直に驚き、楽しむ。
それで良いではないか。
老若男女関係なく楽しめる、そんなものが他にどこにある。

今回、初めてご覧になった方々は、

是非次はお金を払って会場に足を運んでいただきたい。
プロレスには今でもその価値はある。

そして集客に苦しむ商店街や商業施設の担当者の方々、本日のイベントは大成功のように
見えた。
是非、御一考頂きたい。

プロレスに集客力はある。
贔屓目ではなく、そう思った。

最後にうちの倅がプロレス教室ではあるが、リングデビューした。

感無量の私は倅に今日の感想を問いかけた所、「やっぱ野球の方が良いや」と言う。

残念だが倅よ、これからも四角いリングが君を待っているのだ。
覚悟して参れ。

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