お礼を言う事による得

 以前勤めていた会社で、最初に上司に食事を奢ってもらった時の事だった。

食事をして店の外に出た時に、支払いを済ませて出て来られた上司に向かって、
「有難うございました」
と僕は頭を下げた。

その時は何もなかったのだが、次の日の朝、僕は上司とすれ違う際に、
「昨日は有難うございました」
ともう一度言った。

その時、上司は大変驚かれてこう仰った。
「今まで何回も新入社員を食事に連れて行って奢ったが、食べ終わってお礼を言う人間が
 3割、次の日にも言ってきた人間は君が初めてだ」

僕としては、普通に何も考えずにやった行動だったが、上司には心入る行動だったようだ。

そしてその口で上司がこう仰った。
「君は見込みがありそうだから、今度大口のお客さんを担当させてやろう」

私はその時こう思った。

仕事の時以外でもこうやって、きちんとした事をやっていれば、必ず仕事に返ってくる
事があるのだなと。

食事のお礼を言った事で回ってきた仕事上のチャンス。

お礼を言わなかったら、絶対に回って来なかったかもしれない。

仕事はちゃんとやってます、だけでももちろん良いが、それでは本当にそれのみの評価。

でも、そうじゃない事もきちんとするという仕事へのアプローチの仕方もあるのだ。

「ゴマをすれ」と推奨しているわけではないが、仕事で一足飛びに行きたいのであれば、
それも手段の一つ。

やりたいことがあればそれも手だと思う。

ただそれよりも、普通の事を常識を持って、毎日やることの大切さを肝に銘じたい。

結局はそれが物事の進め方の王道なのだろう。

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