今回のドラゲー博多大会は2days、二夜連続興行で行われた。
チャンピオンゲート大会と称され、なかなか博多を大切に
してくれていると、プロレスファンとしては嬉しい限りだ。
その団体の姿勢が二夜連続の超満員札止めに結果として出ている。
さて、今回は観戦録ではなく、テーマを絞って考えてみたい。
それは「ドラゲーの魅力」とは?だ。
ここまで非常に支持をされるプロレス団体というのも現在では稀有だ。
その疑問、魅力を私なりに考えてみたい。
私が一番疑問に思うのは、ファンは選手個人に付くのか?という点だ。
ドラゲーの事をご存知の方は承知事項だろうが、ドラゲーは非常に
ハイスパートである。
それはリング内も外もである。
リングでの試合展開は、メキシコ・ルチャリブレをベースにしている
選手が多いため、非常にスピーディーだ。
ただ、それ以上にストーリー展開が目まぐるしく、ユニットは正直、
回転が早過ぎて付いていけない。
昨日結成したと思ったら、次に博多に来る時は反目し合う間柄に
なっている。
とにかく、全てが速すぎる。
試合の流れもそうだし、バックストーリーもそうだし、ユニットの
解散・結成もそうだ。
今回の博多でのメイン、CIMAと堀口のストーリーも一年ぐらい
掛けても良かったと思う。
事実、2人の間柄にはレスラーと付き人としての関係があったのだ。
もっと、深みを出したストーリーが可能だったと思う。
もっと、何段階もの伏線を張り巡らしたりも出来たと思う。
でも、そうはならない。
時代がそういう速度の速さを求めるのか、刹那さを希望するのか。
かくいう、せっかちな僕はドラゲーが今一番好きな団体だが、
そう思いながら、これが現代のプロレスなのかなとも思う。
ただ、もう少し、背中でも語って欲しいと思う。
何か、そこにプロレスの魅力としての深みが足りないように思う。
ただ、今回も客入りは非常に良かった。
そう思うと、このやり方で正解なのだろう。
メインで堀口が敗れ、CIMAがマイクで昔の思い出、堀口への感謝を
語ると、僕の横の恐らくまだ高校生ぐらいの女の子が、
感極まったのか、嗚咽を漏らしていた。
これぐらいのストーリーでも泣けるのだ。
自分が老い始めているのを感じ、それが少々寂しかった。
ただ、そういうファン層、放課後の男子の部活動を見て、先輩に
憧れる女子高生的なファンがドラゲーの一番の支持層であるのも
事実だ。
確かにドラゲーのレスラーのビジュアルレベルは高い。
彼女達に取っては、ドラゲーはテニスの王子様と変わらないような
エンタメのコンテンツかもしれない。
でもやっぱりドラゲーは面白い。
僕の中では現代プロレスの中で一番好きな団体だ。
今回買えなかったから、通販でTシャツを買おう。
ちなみにドラゲーはプロレス団体の中で唯一、自前のレコード会社を
有している。
そこで音楽、映像関連ソフトは管理・出版・製作している。
そういうしっかりさも、現代のプロレスなのだろう。
最後に私なりの疑問だが、選手達は10年後に何を目標としている
のだろうかという事だ。
ドラゲーはその回転の早さゆえ、意外とベルトを巻くチャンスは
早く巡って来る。
ただ、それを何度か繰り返す内に、個レスラーとして心に何を思う
だろうか。
「エゴの塊がレスラーの本質である」
そう言ったのは、かのアントニオ・猪木である。
「自分の成功よりも団体が成功すれば良い」
そういう考え方も嫌いではないが、レスラーとしてはどうなのか。
バイプレーヤーで満足する人間ばかりで、未来永劫繁栄する団体と
いうものはあり得るのだろうか。